研究クラスタ (research clusters)


政治的マルクシズムの研究拠点としては、当サイトのオリジナルサイトを運営しているサセックス大学のほかに、カナダのヨーク大学など大西洋の両岸にいくつかを挙げることができます。サセックス大学では、「サセックス政治的マルクシズムグループ:移行論争を越えて (Sussex PM Group – ‘Beyond the Transition Debate’)」が2010年10月から活動しています。 [NY]

「サセックス政治的マルクシズムグループ:移行論争を越えて」
 政治的マルクシズムは、おおむね、前資本主義体制から資本主義への移行に関する歴史的論争を文脈として発展してきたものである。このアプローチを定義するようになった諸カテゴリーの多くは、この論争に固有の問題設定に結びついている。このことは、理論的カテゴリーに歴史的基礎が与えられていると言う意味で、政治的マルクシズムのひとつの強みとなっている。だが同時に、移行論争のもともとの文脈から離れた問題を同じアプローチを用いて検討する場合には慎重さが求められる。多様な社会的・歴史的発展を分析するレンズとして「移行(transition)」の概念を用いた場合、歴史的エージェンシー(主体性)や歴史的固有性を無視するような、ある種の「構造」的アプローチに陥ってしまうことがあるからである。
 本グループは、政治的マルクシズムのアプローチを、その第一世代*による主要な方法論的・理論的イノヴェーションを活かして、移行論争の文脈を越えて再定式化し、より広い主題に応用するための基礎を定めることを目的としている。そのなかで、本グループはエージェンシーと歴史的固有性を政治的マルクシズムの核心に据え、その分析枠組としての可能性を拡張しようとするものである。

* 政治的マルクシズムの第一世代とは、ロバート・ブレンナー(Robert Brenner)やエレン・メイクシンズ・ウッド(Ellen Meiksins Wood)らを指します。詳細については「基本文献集(Library)」を参照。[NY]


英語版オリジナルサイト(Political Marxism and Social SCences)の研究クラスタ(research clusters)

※オリジナルサイトでは上に訳出したグループ紹介のほか、メンバーの紹介およびグループの活動記録が掲載されています。