政治的マルクシズムの系譜と展望

 政治的マルクシズムは、いわゆる封建制から資本主義への「移行論争」におけるマルクス主義的分析モデルの没歴史性への批判から発展してきたものであり、概念に歴史を流し込む従来の議論の形式主義を批判し、社会的エージェンシーおよび闘争主体としての階級概念をマルクス主義の中心に据えなおそうとするものある。
この意味で政治的マルクシズムとは、マルクス主義のプロジェクトの再歴史化・再政治化を目指すものである。その独自のアプローチとしての基礎をつくった論者としては、ロバート・ブレンナー (Robert Brenner)および エレン・メイクシンズ・ウッド (Ellen Meiksins Wood)が参照される。
政治的マルクシズムは、構造主義と目的論的歴史観からの脱却を促し、抗争的過程と生きられた実践の相において捉えられた歴史的個別性に関心を向ける。この研究プログラムは、歴史学、政治思想、政治経済学、社会学、国際関係論、国際政治経済学などの社会科学の諸分野を横断して拡大してきた。

 このウェブサイト(Political Marxism and Social Sciences)は、政治的マルクシズムの研究および議論の発展・拡散のためのプラットフォームとして設置されたものであり、現在、サセックス大学国際関係学部内の「政治的マルクシズム研究グループ」によって運営されている。


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